国外で販売しようと思ったら、まず商標登録をお勧めします

現地バイヤーや代理店候補との商談前には手続きを

貴社の商品やサービスを国外で販売・提供しようと決断した際には、まず対象国での商標登録をお勧めします。

どれくらい売れるかわからないし、ある程度売れて、知名度が上がってから、商標登録を考えよう、ということでは遅すぎます。
国外の第三者と商談を始める前に、商標登録を済ませておくことが理想です。

日本国内ではあり得ないことが国外では起こります

国外のバイヤーや代理店候補との商談では、商品や日本での販売実績などアピールすることが重要になります。少しでも興味を持ったお相手は、貴社商品・サービスの日本国内での状況をあれこれと調べます。そして自国で可能性があると分かれば、商談が進んでいくのが一般的です。
事前に商談先の調査を行えば、悪意のあるお相手をある程度排除することは可能ですが、お相手によっては輸入契約を締結する前に、貴社の承諾を得ず販売代理店として商標登録を進め、独占販売権を要求したり貴社に不利な条件を突きつけたりするケースもあり得ます。企業としてではなく、商談に参加したり耳にしたお相手企業の社員が個人的に商標を登録してしまうケースもありました。
 
このような事例は稀ですが、商品が国外市場に出回るとすぐに商標登録をしてしまう第三者は多く存在します。いわゆる冒認申請で、商標登録が認められると貴社に抗議したり、高価での買取を求められたりすることは、良くあります。

補助金の活用や、現地弁理士への依頼で、コストを抑えることも可能

商標登録にはお金がかかるから、面倒だから、うちの商品は知名度が低いから、などの理由で、多くの中小企業は商標登録を後回しにしてしまいがちです。確かに、国内の弁理士事務所に依頼すると結構な金額がかかります。類似商標が先行登録されている場合などには、費用も時間も多くかかります。

けれども輸出対象国の現地弁理士事務所に直接依頼すれば安く済む場合も多く、言語の壁がありますが、依頼時にしっかり説明すれば、意外とやり取りも少なくて済みます。

また、地方自治体や政府関連の輸出を支援する行政機関では、国外での商標登録に補助金や助成金を出す制度もあります。時期や制約がある場合もありますが、これらの制度を利用して、まず商標登録を始めることをお勧めします。